店舗のオープンや展示会などの準備に関わったことがある方は、「陳列什器」という言葉を耳にすることがあるでしょう。
ただ商品を置くだけではなく、「魅力的に見せる」「購買意欲を高める」「店舗全体の印象を高める」といった役割を担う陳列什器は、店舗の売り場づくりにおいて非常に重要な存在です。
今回の記事では、「陳列什器とは何か?」という基本的な部分から、主な種類とその特徴、そして調達方法に至るまでを詳しく解説します。
陳列什器とは?

什器とは、店舗やオフィスで使用する機材や家具などの備品・設備を指し、店舗で商品を来店客に見せるために置いて並べる什器のことを陳列什器と呼びます。
陳列什器は、商品を置くという役割だけでなく、売り場の雰囲気や導線を左右するものであり、選択するものにより、店内全体の印象は変わり、来店客の回遊性や購買意欲にも影響を与えます。そのため、店舗やブランドイメージを強化する上で、非常に重要な存在です。
什器は、形やサイズ、素材、デザインなどが様々で、オリジナル製作も可能ですので、目的に応じて最適なものを用いることが大切です。
陳列什器の種類・特徴
ここでは、陳列什器の主な種類とそれぞれの特徴を紹介します。
ゴンドラ什器
代表的な陳列什器のひとつで、スーパーやドラッグストア、コンビニエンスストアなどで使用されています。
素材は、一般的にスチール製で、耐久性と安定性に優れているのが特徴です。棚板の高さや幅を調整でき、フックや仕切りなどを使うことで、陳列のバリエーションを広げることができます。効率性に優れていて、両側に陳列できるタイプが多いので、通路中央や、等間隔に並べて配置されることが多いです。
エンド什器
主にゴンドラ什器の端に設置されるのがエンド什器です。素材はゴンドラ什器同様に、スチール製が一般的ですが、デザイン性を高めるために、木材やアクリルなどを使用しているものもあります。
来店客の目に留まりやすい場所に配置する什器であることから、新商品や限定商品、季節商品など、目立たせたい商品をピンポイントで陳列するのに最適です。
平台什器
フラットに商品を置けるのが平台什器です。木製が主流で、温かみや高級感を演出できます。強度とデザイン性に優れたスチールフレームと木材を組み合わせたものなどもあります。商業施設のテナントなどで、入口に設置されることが多く、ひとつの商品だけではなく、複数のアイテムを展示することが可能です。
アパレルショップなどでは、高さの異なる平台什器を活用し、洋服やバッグ、靴などを組み合わせてコーディネートを提案することもできます。
ワゴン什器
ワゴン什器は、平台什器と同様に、フラットに商品を置くことができますが、大きな違いとして、キャスター付きで移動可能であるということです。移動の容易さから、売り場のレイアウト変更にも柔軟に対応できます。そのため、セール品や売り切りたい商品を陳列して、目立つ場所に配置することが可能となります。
フレーム部分にはスチール、バスケット部分にはワイヤーメッシュが使われることが多く、軽量で取り回しがしやすく、耐荷重にも優れていて、催事会場などでも使用されます。
ショーケース
ケース部分は、ガラスやアクリルで、フレームはアルミや木製のショーケースは、ジュエリーや時計、模型、革製の小物など高価で繊細な商品を、ほこりや接触から保護しつつ展示できる陳列什器です。特に、アクリル素材は軽量で割れにくいので、小規模な店舗やイベントなどでも使いやすいです。
高さのあるショーケースを壁に沿って設置したり、低くて大型のものを店舗中央に設置するなど、配置によって、店内の雰囲気を変えることができます。さらに、照明付きのものであれば高級感を演出することが可能です。
カウンター什器
主にレジカウンターなどに設置されることが多く、購入直前の「ついで買い」を促したり、パンフレットや印刷物などを置くのに使われます。また、陳列棚に合わせてカウンター什器を設置することで、商品を効率よく配置することもできます。
素材は厚紙や段ボールなどの他、木製のものに表面が硬く傷がつきにくいメラミン化粧板や塩ビシートなどで仕上げられているものもあります。
陳列什器の調達方法

陳列什器は、様々な方法で調達することができ、目的や使用期間に合わせて選択できます。まずは、既製品を購入する方法です。什器販売の専門業者だけでなく、ネットショップでも広く取り扱われていて、希望する什器の在庫があれば基本的にすぐに出荷されるため、短期間で導入することが可能です。
専門の什器販売業者であれば、様々な形やサイズのものも取り扱っていることが多く、高級感のあるものから、耐荷重や安定性に優れたものなど、目的や用途に合った什器の購入が可能です。
ただし、既製品を選ぶ場合には、店舗にぴったり合うサイズやデザインがあるとは限らないので注意が必要です。
購入だけではなくレンタルするという手段もあります。展示会や期間限定のポップアップストア、イベントで一時的に使用する場合には、レンタルが便利です。サイズやデザインは既製品の購入よりさらに限られる傾向にありますが、設置や回収まで業者が対応してくれるケースも多く、短期間の使用には適した選択肢です。
保管スペースが不要で、劣化などを気にする必要がないというメリットがありますが、頻繁にイベントや展示会などを行う場合には、そのたびにレンタル費用が発生するため、長期的に見ると購入よりもコストが高くつく可能性があります。
陳列什器をオリジナル製作するという選択肢もあります。店舗の世界観やブランドイメージを重視したい場合や、効率良く陳列したい場合には、オリジナル什器の活用がおすすめです。
材質や色、サイズ、形状に至るまで自由に設計できるので、店舗の世界観や商品コンセプトに合わせた演出が可能です。購入やレンタルと比べてコストや納品までの時間はかかりますが、長期的な運用を考えるのならおすすめの選択です。
オリジナル陳列什器を製作する場合には
今回の記事では、陳列什器の種類やその特徴、調達方法について解説しました。陳列什器は、店内の導線設計や商品の魅力などを伝える上で非常に重要な役割を担います。
調達方法としては、既製品の購入や、レンタルの他にオリジナル製作という選択肢もあります。
オリジナル製作であれば、素材やサイズなど設計の自由度が高く、他社との差別化にもなり、店舗やブランドイメージを表現することができます。
なお、オリジナルの陳列什器の製作にご興味がございましたら、ぜひ「JEM」にご相談ください。
JEMは、東京と大阪を拠点に、什器やPOP、印刷物などの製作、サービスを提供している会社です。
これまで、数多くの企業様よりオリジナルの陳列什器製作のご依頼を頂いた実績があり、お客様のご要望に合わせた最安・最早・最高クオリティの提携企業を選定し、最適な「コスト・納期・クオリティ」をお約束いたします。
さらに、什器を納品して終わりではなく、製作した什器の不備がないか、使い勝手はどうかなどをヒアリングさせて頂くといったアフターフォローも徹底しております。
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